太龍寺に昇るロープウェイ。この川沿いに鶴林寺から移動してきました。
巨木に囲まれた山門と階段。山門には、「太龍寺」と書かれた大きな提灯が掲げられている。
本堂の天井に掲げられた般若心経と、様々な絵。
こんな風に、境内のどの建物も緑に覆われている。
川沿いの山道を抜けると、急に谷間が開けてきて道路も綺麗になり、程なく、
道の駅と合体した太龍寺ロープウェイに到着した。ロープウェイは行きは貸し切り、帰りは
団体のじいちゃんばーちゃんとご一緒に。例によって、「若いのに感心だねぇ」と声を
かけられる(これは八十八番まで通して、絶えることなくかけられた言葉だ)。
ロープウェイの窓越しに眺める河や集落、農場はなんとも格別。途方もない田舎風景が
旅情をそそる。また、遠くのほうの山の中に、第二十番鶴林寺の屋根が小さく見えたのも
印象的だった。歩き遍路さんにとっては、鶴林寺から太龍寺までの道のりはアップダウンが
激しくて大変そうだ。
ロープウェイに乗車後、約10分で山頂のお寺に到着する。これまで参拝した色々な霊場も
随分と山の奥まった所に建っていたが、この太龍寺はその中でも際だっている。
樹齢400〜600年の杉や檜の大木がこんなにボコボコ生えている所は他にはみられず、
ずっと後の六十六番雲辺寺までみられなかった。太くて古い木々のせいか、とりわけ厳粛で
静かな森の中に伽藍や石像が並んでいた(こんな時にも、この木は高く売れそうだなぁと
思う自分はおそらく低能、もとい、モラルに欠けるのだろう)。
立派なご本尊や大師堂だけではなく、古い緑の森、「南無大師遍照金剛」の赤旗、
小さなお地蔵様達、行き交うお遍路さんといった“場全体”が、しっかりと出迎えて
くれた。またいつか、機会があるなら訪れてみたいお寺だ。
狸なのか地蔵様なのか分からない小さな置物。もちろんお祀りされているし賽銭箱もある。
鬱蒼と繁った森の中。お昼が近いため、日差しと日陰と緑の対比が鮮やかだ。
なお、太龍寺のロープウェイは二十分に一本の割合で運行されている。ダイヤの関係で、
お寺でまともにお参りしようとすると、一本帰りのロープウェイを待たなければならなくなる。
結局、都合約一時間を必要とするので、車遍路の方はそのつもりで旅の計画を立てたほうが
いいだろう。また、待合室におみやげを売っているので、時間が余ったら覗いてみるのも
いいかもしれない。私もここで、おみやげ用に羽二重餅のすだちバージョンのようなものを
買ってしまった。
11:30ごろに道の駅を出発し、平等寺までの約三十分の道のりをゆく。道中、水筒や
リュックを持った遠足小学生をたくさん見かけたが、紺と白の体操着、赤白帽という、
なんとも言えない素朴な格好に驚いた。都会のお子さまと違って、髪をやたらと染めている
子もいない。マジで田舎です。もちろんこれは褒め言葉ということで。
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