【旅の記録 修行の道場(高知県) その2】
 第二十八番大日寺〜第三十五番清瀧寺までの、ただの感想&写真だけです。
 
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→第三十番善楽寺     →第三十一番竹林寺
→第三十二番禅師峰寺  →第三十三番雪蹊寺
 →第三十四番種間寺  →第三十五番清瀧寺






















第三十四番 本尾山 朱雀院 種間寺
本尊:薬師如来御真言:おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
御詠歌:世の中に まける五穀の 種間寺
     深き如来の 大悲なりけり


                
   鐘楼や本堂や納経所などが綺麗にまとまった種間寺の入り口の風景。
        ちなみに左側のモザイクのかかった人物はゲロ氏です。

                
     本堂には国宝の薬師如来が安置されている、ごく当たり前のように。


                
  小さな大師堂。すぐ隣は納経所で、全体として境内はコンパクトにまとまっている。

 三日目も朝からすっきりと晴れていた。ちょっと遅く起きて(とは言っても6:00だが)、7:00過ぎに

 県道とは名ばかりの細くて曲がりくねった下道を暫く進んだ所に、またまた平地のお寺を発見
する。第三十四番・種間寺は写真にもある通り、あまり観光地らしくない霊場だったが、ここには
国宝の薬師如来像が安置されている。四国遍路では、目立たない霊場にも平然と重要文化財
が置かれていることが多く、うっかり見落としてしまう事もしばしば。
 境内に入ると、本堂や大師堂の線香やろうそくの燃え残りが非常に少なかった。おそらく
たまたま団体さんがいない時間帯に到着できたためだと思うが、無人の境内を久しぶりに
闊歩する。真新しい本堂と古めかしい大師堂が対照的だが、納経所・本堂・大師堂・鐘楼が
コンパクトにまとまっていて、巨大な境内のお寺には無い、箱庭のような魅力を感じる。

 ここのお寺の入り口にも、アイスクリンを売っているおばあちゃんがいて、庶民的な情緒を
そそられる。小さくて物言わぬ静かな寺だが、どこか忘れがたい。
 (トイレが綺麗なお寺だった。地味だが、有り難いもてなし!)

 長いこと走り続けた狭い県道を抜けて国道へ戻り、ド下町を通過して一路山を目指す。
次は、車遍路第二の難所・清瀧寺である。




第三十五番 医王山 鏡池院 清瀧寺
本尊:薬師如来御真言:おん ころころ せんだり まとうぎ そわか
御詠歌:澄む水を 汲めば心の 清滝寺
     波の花散る 岩の羽衣


                
 山の頂をバックに建つ堂々たる清瀧寺本堂。太陽光線の影響で、少し暗めに写っている。

                
   こんな山道の奥にも、電話機や自販機があることには驚く。また、写真には
  写っていないが、この時計の右手には「自家用の」消防車が一台置かれている。

                   
         戒壇めぐりがある薬師様の中には、梵字が祀られている。

                
            清瀧寺に至る細い山道は、一面の果樹園だ。


 他の遍路サイトでも難路っぷりが指摘される通り、清瀧寺に向かう道は凄まじかった。
道路の細さもさることながら、道路の劣悪さと見通しの悪さ、そしてアップダウンの激しさは
今までの数々の難所を越えるものがある。不運にも、下山時に大型乗用車やプジョーと
すれ違い、何度も恐ろしい思いをさせられた。歩き遍路が大変なのは言うまでもないが、
車遍路もここは細心の注意が必要だろう。正直、どこもこすらずぶつけずに下山できた
ことは、これこそ大師様のお陰だと思いたくなるような、そんな怖い道だ。
寺の境内に設けられた駐車場直前の勾配も凄まじく、セカンドギアでもまだきつい。
ローギアでなければ登らない坂道なんて初めてだ。

 ミカン山の奥また奥に、清瀧寺は山の中にデーン!と建っていた。こんな山奥にも関わらず
自販機が120円なのは驚く。業者の方は大変なコストを支払って持ってきていることだろう。
偉い。また、ここまで山奥であるがゆえに、この霊場は自家用の消防車を保有していて、
それが敷地内に置かれている。確かに、この山道を消防車が登るのは難儀するだろう。
文化財保護のためには、やむを得ない出費なのだろうが、整備などが大変そうだ。

 本堂と大師堂の間には、大きな薬師様が建っている。ここの像の中には真っ暗なトンネル
が造られていて、手探りで進むと電気で照明された(ローソクは、換気の問題などでまずい
のだろう)梵字をお祀りした祠があった。暗闇を抜けて突然に視界に入るためだろう、
梵字がこのうえなく有り難いもののように見える。

 納経時、住職がほうきで境内を掃除していた。元気にあいさつを!と看板があったので、
元気に住職にあいさつをする。もうこの頃には、お遍路さん同士の挨拶にも大分
慣れてきていて、頻繁に挨拶するようになっていた。些細な事ながらも、これまた
霊場巡りの大切なテイストの一部のように感じられる。

 (蛇足:きれいな名前の寺だが、急にトイレに行きたくなったり、車が
 鳥の糞の爆撃をうけるなど、「糞」に誤嚥のあるお寺だった。) 



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