神戸淡路鳴門道を出て車で数分、第一番霊場・霊山寺は、平地に建てられた大きな
お寺だった。一番最初の霊場だけに、大いに緊張する。まずは隣の遍路ショップで
巡礼に必要なグッズをあれこれと買い込む。シロクマが購入したのは、白衣・金剛杖・お札・
納経帳などなど。→こちらを参照
なお、ろうそくとお線香は道中で足りなくなって道中で何度か買い足している。
繰り返し繰り返し紹介している「最新へんろ地図」も置いてあったと思う。
車遍路の方なら、購入をお勧め！すげぇ重宝する。

　霊山寺でお参りを済ませた後、すぐに極楽寺に到着。ここも、平地に建ったお寺である。
(これはどこの霊場も言えることだけど)境内は緑が豊富で来訪者の心を和ませる。
庭木はきちんと刈り込まれており、ゴミ一つ落ちていない。敷石も、あくまで平らに整っている。
　極楽寺をお参りした時に、参拝者が私たち以外にいなかった事もあって、めちゃくちゃ
静かにお参りできた。いや、沢山お遍路さんの巡拝者がいたとしても、それはそれでサマに
なるだろうし、それはそれで参拝心を高めてくれるんですけどね。

　極楽寺を出て僅か数分、やはりあっという間に三番に到着。旅のタイムテーブルを見ると、
十五分間の時間差があるものの、納経やお参りに、蝋燭やお線香の時間がかかっているため、
実質の移動時間はごく極僅かだ。第一番から第六番までは、県道沿いに霊場が密集している
のだ。
　第二番同様、赤くお化粧した正門が美しい。ここのお寺には、「こがね井戸」なる井戸がある
らしいが、あわてていたせいか気づかなかった。タイムスケジュールのある程度定まっている
車遍路の悲しいところだ。もっと時間が許すなら、一つ一つの霊場でゆっくりしたいのに。

　金泉寺から大日寺までは、今までの霊場間よりは若干距離が離れている。ここまでに、線香や
蝋燭の着火に結構手間取ったので、近くに建っていたサンクスに寄ってチャッカマンとドリンクを
購入した。八十八カ所めぐりでは、少なくとも176本のローソクと528本のお線香をお供えする事に
なるため、時間を節約しやすいチャッカマンは特にお薦めだ。マッチやライターでも火をつけられ
ない事は無いが、様々な天候が待っているのであまりお薦め出来ない。
　買い物を終え、少し遅れて大日寺へ。
山のふもとに向かって坂道をのぼると、白い壁と緑に包まれたお寺に出くわす。近くに森が
あることや、少し陽が登ってきた事もあってか少し暑くなってきた。ツクツクボウシの鳴き声が
盛大に響いている。
　このお寺あたりから、ポツポツ他のお遍路さんにちらちらと会うようになった。じきに、お遍路
さんに挨拶するのが普通になっていくが、この時はまだまだ恥ずかしくて挨拶が出来なかった。
残念な事だったが、巡拝が進むにつれて、挨拶が身についていったのだ。