・「しわ」の簡単な読み取り


 face to face なコミュニケーションにおいて「表情をつくる」というアウトプットの技能に負けず劣らず、表情を読む、というインプットの技能も大きな役割を果たす。この、表情を読むというインプット技能は、1.その場ごとの表情変化を読む部分と、2.後天的に顔に刻まれた特徴(しわ)を読む に大別される。
 
 この文章では、2.後天的に顔に張り付いた特徴(しわ)の読み取りについて、分かる範囲で記述しておく。以下の内容は、face to face なコミュニケーションに慣れている人はだいたい無意識に身につけているもので、また、曖昧なことしか書いてない。しかしそれを差し引いても、初対面の相手とコミュニケートする際に、意識してしわを読むのと読まないのでは大分違うと思うので、書き残しておく。
 
 ※新たに気付いたことがあれば、加筆修正するつもりです。
 
 
 【ごく簡単なしわの読み方】
 
 ・眉間の皺は、相手を威圧するのに慣れた人において眉の内側に縦に刻まれやすい。眉の内側すぐ傍に左右一本ずつの人もいれば、さらに真ん中に一本刻まれる場合もある。ただし、いつも苦悩の表情をしている人の場合にも、近い場所にまぎらわしい皺が刻まれることが多い。
 
 要は、眉間のしわは「顔をしかめる機会が多い人ほど強く刻まれやすい」。威嚇や威圧によるものなのか、それとも苦悩によるものなのかは、周辺情報と比較できる場合、それほど鑑別に困らない。
 
 尤も、この鑑別が真価を発揮するのは、相手がスーツなどを着ていて、表面的には物腰柔らかな身振りをしている場合だったりもする。一見、ニュートラルな印象を与える人物の眉間に、なぜか縦皺が刻まれているのを見つけた場合は、注意を払う必要がある。その人物は、威圧や威嚇に慣れた人生を歩んできたか、苦悩の表情を浮かべるような人生を歩んできている可能性が高く、それをマスクしながらあなたに接触している可能性がある。
 
 ・額のしわは、加齢によって専ら増えていくし、比較的若い人でも案外多い。また、前髪に隠れていることも多いので積極的に読み取る機会は少ない。ただし、目の周りの筋肉を頻繁に動かしている人、特に眼球を上方に動かす機会の多い人※1 や、目を見開く機会の多い人は、目より上方の筋肉が引っ張り上げられることが多いため、額のしわが目の上の部分で軽く逆Uの字をつくりやすい。
 
 ※1「眼球を上方に動かす機会なんてあんまり無いだろ」と思う人もいるかもしれないが、そうでもない。例えば上目遣いの多い人、覗き込むように相手を注視する場合などは、眼球は上方を向きやすい。
 
 こういう傾向の人物は、面と向かって喋っている時にも眼球運動が盛んであることが多く、わざわざしわを読みとるまでもなく、ああそういう人なんだなと分かることが多い。しかし稀に、このような皺が年齢相応以上にハッキリ刻まれているのに、目の動きが非常に乏しい人物に出会うことがある。この場合、どうしてしわの形状と眼球運動の乏しさのミスマッチが起こっているのか、事情を類推するヒントになることがある(何かを隠している?疲労している?退屈している?等)。
 
 ・目尻のしわは、加齢によって発生する。女性は目尻のしわを気にすることが多い。目尻のしわの形状には、吊り目/垂れ目が幾らか反映され、その人が、どのような表情をしながら日々を過ごしていたのかが反映されやすい。若いうちはしわの刻印が薄いのであまりあまりアテにならないが、初老期以降の相手の場合、その人の表情の履歴書としてかなり優秀な情報源になる。額のしわと合わせて眺めること。
 
 もし、目尻のしわと現在の表情とがミスマッチな場合も、そこに何か事情がある可能性を疑ってみること。
 
 ・ほうれい線は、判断材料とすることが難しい。
 
 ・口元にも、その人が浮かべていた表情が蓄積する。例えば、左右対称かどうか?片方の唇だけを吊り上げてばかりいた人には、左右非対称なしわが刻まれることが多い。片方の唇だけを吊り上げるような表情が暗示するものは千差万別なので、単体では判断が難しい。その人物がどういうタイミングで片方の唇が上げるのかを見たうえで、しわを評価する。
 
 
 【しわを読み取る際の注意点】
 
 ・しわは、一般的には歳を取るほど顔面に刻み込まれる。このため、歳を取った人ほど隠しがたい履歴書としてあてにしやすく、若い人の場合は参考になりにくい
 ・メイクや化粧は、このしわの問題を部分的にマスクしてしまいがち。このため、女性の場合は読み取りきれないことがある。化粧による修飾には気をつけること。男性の場合は非常に参考になる。
 ・しわは、無意識のうちにつくった表情の蓄積なのか、(商売上の理由などで)意図的につくった表情なのかに関係なく刻まれる。随伴情報がない限り、両者の判別は困難である。
 ・歳の割にしわが多い人を見かけた時も、顔面の筋肉を人一倍使っているためなのか、それとも先天的にしわの出来やすい人物なのかを判別するのは、難しい。対して、歳の割にしわが少ない男性を見かけた場合は、かなり高い確率でその人は顔面の筋肉をあまり使っておらず、face to face なコミュニケーションに慣れていない可能性が示唆される
 ・ごく稀に、心不全や腎不全といった健康上の理由から、顔面のしわが常とは違った見え方をすることがある。


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