・分からないことはまずググろう


 確認するまでもないかもしれないが、このサイトにまとめられている生活上の技術の大半※1は、グーグルで検索すれば拾い集められる。このため、生活に必要なノウハウの知識knowledgeの部分に関しては、分からないと思ったら躊躇わずにグーグル検索して調べれば、知識だけは揃うことが多い。例えば冠婚葬祭のマナーなどは、親兄弟に教えてもらわなくても、インターネット上に知識のテンプレートが幾らでも転がっている。

 ※1ただし、「同条件で誰が実践しても同じ結果が得られる」技術に関してはそうでも、「誰が実践するか次第で結果が変わってくる」技法についてはインターネット上ではあまり見かけない。
 
 数十年前までは、生活に必要な知識の源は、親兄弟・親族・近所の人達に限られ、そのかわり、知識のインストールは意識しないうちに・きわめて自然な形で進行していた。だが、都会やニュータウンの核家族で育った人や一人暮らしする人の場合は、たぶんに意図的にインストールしなければ、無知なまま歳を取っていってしまう可能性がある。あるいは親元を離れるまでに親から伝授してもらわない限り、知識を手に入れる機会は存外少ない。
 
 その代わり、21世紀以降になって、知識に関する限りは、インターネット検索で大抵のことが分かるようになった。どんな親よりも、どんな地域社会よりも、インターネットには大量の知識が眠っている。また、同じテーマについて複数の意見を比較検討することも可能で、一つの情報源だけを鵜呑みにするのでない限り、異なる意見に接触しながら考えを深めることもできる。しかも、恥に敏感な人達にとってありがたいことに、グーグル検索をする際に“他人に聞くことの恥”なんて気にしなくて良いのである。分からないことを他人に聞くのが恥ずかしい人でも、ググすれば大抵のことは載っている。

 ただし先ほどから書いている通り、ググって手に入る情報は、知識までである点には注意が必要だ。グーグルは、智慧wisdomまでは授けてはくれないし、経験を通して血肉に変えていかなければならない部分・コミュニケーションを通して影響を受けていかなければ路線変更のしようのない部分についてはカバーしてくれない――一例を挙げると、ネット検索はtwitterの使い方の基礎知識は授けてくれるが、具体的にどういうユーザーとどういう交際を行っていくのが賢明なのかは教えてくれないし、使い込みを通して得られる経験蓄積までは与えてくれないのだ。

 とはいえ、生活レベルの知識の大半については、グーグル検索を軸としたインターネットは十分に有用で、かつての世代間伝達や地域社会内での知識伝達を代償して余りあるものがあるとは思う。だから、ネットに親しんでいる人には釈迦に説法なのを承知のうえで、改めて確認しておきたい。「分からないことは、まずググろう」。
 
 【用語確認】
 →ググレカス


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