【旅の備品と道案内】
旅に出掛ける前に、必要な品物や便利な道具、地図についてご紹介します。
1.お参りに使用する品物
参拝に使用する、お遍路グッズの数々。
数珠 (持参しました)
お数珠は真言宗の場合はちょっと長めのお数珠ですが、自分用の
お数珠は浄土真宗用だったので、それをそのまま持って旅に行きました。
他の遍路さんを見ていると、やはり真言宗の数珠を持っている人が
割合的には多いようです。
白衣 2500円ぐらい〜
お遍路さんのイメージといえば、この白衣(びゃくえ)。はくい、とは発音しません。
背中に“南無大師遍照金剛”と書かれた標準タイプの他に、“南無阿弥陀仏”と
書かれた浄土真宗系のものや、御詠歌を書きつづった白衣もあります。また、
季節に合わせて長袖半袖や、ズボン有り無しなど、レパートリーは意外と
多彩です。納経の代わりに、白衣に朱印を押してもらう事もできます。
金剛杖 1500円〜
梵字と「同行二人」と書かれたお遍路さん用の杖です。山道などでは歩行の
助けとなるほか、“お大師さまの分身”として、旅を見守ってくれます。お大師
さまの分身なので、取り扱いは大切にするように!との事です。また、橋の上
でこの杖をつくのはタブーとされています。
車遍路なので無くても良かったのかもしれませんが、やっぱり買って、
駐車場からの道のりを一緒に歩きました。車遍路さんにも絶対お勧め!
頭陀袋 2000円〜
お参りグッズなどを入れる、専用の肩掛けバッグです。収納のタイプにより、
様々な大きさと価格のものが存在します。私が購入した頭陀袋は、
納経帳・納札・デジカメ・ローソク・お線香・チャッカマンが仕分けして収まり、
まだスペースがあったので御姿も収納できました。ものすごく便利な優れモノ
です。なお、山谷袋とも呼ぶそうです。
納札 200枚セットで100円
お遍路さんのお参りでは、写経したお経を本堂や大師堂にお供えする代わりに、
略式として納札をお供えする事が認められています。それぞれのお寺で本堂と
大師堂にお供えするので八十八カ所×2=176枚が最低必要ですが、200枚
セットなので安心です。また、お遍路さんが旅の途中に親切に会った時には、
お礼として納札を差し出します(四国では、お遍路さんに親切を行う事が
習慣になっているそうで、“お接待”と呼ぶそうです)。なお、犯罪などに
使用される恐れが稀にあるとの事で、住所などを詳しく書きすぎるのは
まずいとの意見もあります。
納経帳 2000円ぐらい〜
納札をおさめた証拠として、納経してもらうための帳面が納経帳です。
八十八カ所分の納経をコレクションできるのが、納経帳です。外観や
内装、挿し絵の有る無しでさまざまな大きさ・値段・デザインのものが
販売されています。私も一冊買って納経して頂きました。なお、納経には
一回につき300円かかります。300×88カ所なので、実は結構な金額。
思い出に残る品として、或いは(熱心な信者の方なら)信仰の品として、
これもお奨めです。とっても素敵!
納経掛け軸 15000円ぐらい〜
納経は、納経帳ではなく掛け軸にやって貰う事も出来ます。掛け軸なので
やや高価ですが、完成品はとても美しいです。デザイン他によって、値段に
いくらかばらつきがあります。運ぶ際は、掛け軸入れを使いましょう。
御影帳 2000円〜
霊場を廻って納経して頂くたびに、そのお寺のご本尊をイメージしたお札(御姿)
が貰えます。これを収めるためのアルバムみたいなものです。市販されている
御影帳は、お寺の写真や御詠歌と御姿が並んで眺められるようになってます。
お線香 (持参しました)
お線香は、本堂と大師堂で三本づつつけるので、一カ所の霊場で最低六本、
全部の霊場で528本必要です。このほかにも、気になったお地蔵さまやお堂で
使ったり、誤って紛失したりする事もしばしば。車遍路の場合、車内にストック
出来るので、少し多めに持っていくことをお奨めします。勿論、道中で入手可能。
ローソク (持参しました)
ローソクは、本堂と大師堂で一本づつ灯すので、都合196本必要になります。
でも実際はそれ以外の場所でも結構つけるので、多めに用意したほうがいいです。
お線香にも言えることですが、道中は頭陀袋に入れて運ぶと思うので、ちょっと
小さめのサイズがお奨めです。勿論、道中でも入手可能です。
チャッカマン 300円ぐらいだったっけ?
いや、マッチでもライターでもいいんですが、線香やローソクに火をつける道具が
必要なわけで、その中で最も効果的なアイテムがチャッカマンではないかと思って
ここでわざわざ提案します。何しろ、ものすごい数のローソクと線香に火をつけます。
小さなタイムロスも重なれば大きなものなので、少しでも着火しやすく簡便な
アイテムをお勧めした次第です。強風などの天候の影響で、火がつけづらい事が
結構あります。数百円をケチらず、チャッカマンを持ち歩く事をお勧めします。
八十八カ所で、一人あたり2〜3個あれば充分です。
般若心経 持参しました
それぞれのお寺で般若心経をあげるのに、どうぞ。
私達は時間の都合ほかで要所要所でしかあげませんでしたが、出来れば各霊場
ごとにあげたほうがいいんでしょう。小さなポケットサイズを持ち歩きました。
菅笠 3000円
お地蔵様とかがかぶってそうな、あの笠です。歩きの人は必須かな?
車遍路なので、これは購入しませんでした。ビニールカバー付きもあり。
輪袈裟 1500円〜
高いのから安いのまで色々あります。見ようによっては首にかける携帯
ホルダーのようにも。お坊さんの格好の略式として、袈裟の代わりに身に
つけるそうですが、今回はつけませんでした。でも、バス遍路の方などを
見ていると、つけている人の割合が高いです。
輪袈裟止め 500円〜
輪袈裟を止めるための、ピンのようなものです。輪袈裟を使う方はどうぞ。
持鈴 3000円ぐらい〜
よく巡礼でイメージする“チリーン♪”って澄んだ音色を立てる鈴の音、あれです。
チャイムみたいな形をしているものが多く、とても風情のある綺麗な音色です。
やたらめったら鳴らすものではないそうですが、欲しい方はどうぞ。
手甲 ?
歩き遍路の人は、現在でも身につけている事が多いようです。
車なので、当然パス。
2.お参り以外の局面で使用する品物や、持っていくといいもの
旅で重宝した、参拝以外の目的で使用した品々です
携帯電話
緊急時の連絡用として、携帯電話の携行をお勧めします。何せ険しい
田舎道が多いので、旅の事故やトラブルにいつ遭遇するか分かったもの
じゃありません。持っていく事を強くお勧めします。それでも四国は電波の
受信状況が悪いので、万能の連絡手段とも言えません。道中の事故や
トラブルには細心の注意を払う必要があります。
あと、境内はマナーモードで!大師様が見てますよ!
タオル・手ぬぐい・ハンカチ
夏の旅ではかなり重宝します。坂道だらけなので、絶対に汗をかきます。特に
四十五番岩屋寺などは、滝汗ものです。
健康保険証のコピー
旅先で事故に遭った時に実費診療を受けたくない人は、黙って持っていきましょう!
車遍路といえ、危険の多い旅です。用心にこした事はありません。
常備薬・救急薬のたぐい
普段使用している薬はもちろん、胃薬や解熱剤や感冒薬、絆創膏や湿布薬など
必要そうなものは持っていきましょう。意外と役に立ったのが、虫さされの薬と
睡眠薬。私は床が変わると眠れないので、睡眠薬使いました。体調を整えないと
翌日のお参りに支障が出ます。体力気力を整えるべく、睡眠薬でごっそり寝ました。
また。夏場は「不殺生」のため霊場は蚊が一杯!皮膚用外用薬は絶対あったほうが
いいです。虫除けスプレーや蚊取り線香も、あったほうがいいかもしれません。
小銭たくさん
お賽銭用に五円玉や十円玉、駐車料金用(百円玉)に小銭をいっぱい用意しておくと
便利です。どれもかなり多用します。車遍路の場合は、車内にストックしておくといい
かもしれません。ジャラジャラ山道でうるさいですが。
雨具
何しろ長い旅です。いくら四国が少雨とはいえ、一度ぐらいは雨に出会うでしょう。
そして、高知県が台風銀座なのを思い出してください。夏場〜秋は絶対注意!です。
携帯食料と、携帯用飲料水
四国の田舎はコンビニが少ないです。まして、山奥ともなれば食堂の類すらなかなか
見つからないような場所もあります。このため、うかうかしていると昼食を抜く羽目に
なったり、最悪、ひもじい思いをしながら一晩過ごす羽目になりかねません(っていうか
夜、宿は取ったほうがいいと思いますが)。四国に到着してからでも構わないので、常に
車内に携帯用の食料やおやつ、飲みものを用意しておく事をお勧めします。空腹感を
抱えたまま巡礼するのも修行かもしれませんが、集中力低下で要らぬミスを招くのでは
本末転倒です。
毛布と懐中電灯と予備の電池
本来、事前に宿をとって余裕をもって廻るほうが遙かに安全であり、車内泊を
行うというのは最後の手段だと思います。特に、女性だけのツアーの場合は尚更です。
とはいえ、旅の日程にあまり余裕が無い方の場合や、宿を予約せずに進んだ先々で取る
場合などは、万が一に備えて寝具と懐中電灯を用意する事をお勧めします。虫除けも
必要かも。しかし、この問題は、旅に余裕を持たせて事前に宿を取る事で解決できます。
繰り返しますが、車の中で寝るのは最後の手段です。
洗面用具やタオル、着替えなど
省略。
車のスペアキーや車の備品のスペアなど、それとJAF会員証
もちろんパンク用のキットも車載しておき、スペアタイヤをつける手順を
思い出しておきましょう。何せ山道ばかりの長旅です。車にかかる負担
を過小評価するのは危険です。万が一に備えて、JAFには必ず入会して
おき、カードを持ち歩きましょう。或いは、カーディーラーの四国営業部の
チェックをするのもいいかもしれません。
とはいえ、呼んでもなかなか来ない場所や、携帯電話の圏外エリアも多い
のがお四国なので、自力での対応が少しでもしやすいように工夫する事が
望ましいと思います。バッテリー液やラジエータ液のスペアや、スペアキー
も用意しておくといいかもしれません。
冬は、スタッドレスタイヤが必須と思います。
勾配がきついので、たぶんチェーンも必要でしょう。
そもそも、真冬の車遍路はなるたけ避けたほうがいいかもしれませんが。
靴
当たり前ですが、はき慣れていてしかも山道が平気なものを選びましょう。
車遍路の場合は、靴をもう一足用意出来ない事は無いので、悪天候用の
ものも積んでおくとなお良いかもしれません。
目の悪い人は予備の眼鏡やコンタクトを!
万が一途中で紛失して簡単に補充できないようなものは、念のためスペアを
用意したほうがいいと思います。
3.地図やガイドのたぐい
旅で使用した地図やガイドをご紹介します。
るるぶ情報板・四国八十八カ所 800円+税
るるぶの中でも、特に八十八カ所についてまとめたもの。各霊場の大まかな
知識や大ざっぱな地図、お遍路で使いそうな宿などについてまとめたもの。
マナーや歴史、近郊の観光名所などについても書いてあります。一冊で
かなりの知識を広く浅く入手でき、使い勝手がいい点が長所ですが、案内地図
として使うにはやや力不足。しょっちゅう迷子になる事は避けられないと思います。
とはいえ、この本を核にしつつ、他の本と組み合わせれば非常に重宝します。
四国各県のるるぶ(徳島,、高知、愛媛、香川)
観光地やグルメについては、このhtmlで紹介する本よりは役に立つと思います。
とはいえ、あくまでるるぶレベルなんでしょうね、きっと。
観光にはまあまあ役に立つのがるるぶなわけで、特に、旅路の長い高知県/愛媛県
のるるぶは、大活躍してくれました。言うまでもなく、このるるぶだけで車遍路を
実行するのは無謀です。霊場までの細かな道案内まで載ってませんから。
他の地図も組み合わせて利用したほうがいいと思います。
あと、宿を取るのにもかなり重宝しました。
四国八十八カ所霊場 最新へんろ地図 1000円+税
2003年3/1バージョン、第四版 ★お薦め★
第75番善通寺が監修している、車遍路用の地図帳です。殆ど偏執病的なまでに詳しく
丁寧に、細かな道案内がされています。目印となる建物はどんな細かいものも
掲載してくれてますし、霊場間の所要時間まで載っています。道路が変わるごとに
バージョンも上がっているようなので、最新のバージョンを霊山寺で購入する事を
強くお勧めします。単純に霊場間の移動をする限りにおいては、この本と道中の
霊場看板さえチェックしておけば殆ど迷わない事でしょう。ただし、新しいバージョンで!
はっきり言って最強の遍路地図。カラーのものもあるので、お好きなほうをどうぞ。
カーナビ
私は旅にカーナビを使わなかったので何とも言えませんが、ホームページを見ている
限り、「頼りにはなるが万能ではない」という声が多いような気がします。どの程度、
町中のごちゃごちゃした場所の霊場に対して効果があるのか、ちょっと未知数。
カーナビの有効性については、他のページを参照ください。
普通の道路地図
お遍路さん用の地図だけでは、長距離の移動に関しての情報が不足しがちですし、
寺院の少ないエリア(高知市内や高松市内など)で迷子になりかねません。そうで
なくても、四国までの往復にも道路地図は必須です。