【車遍路のための、旅のヒント】
 車遍路の、移動についてのコメントを短い文章で要約したもので。
 苦労した所や、ラクだった所などを記載してあります。
 ちなみに、要注意区間は紫色表記となっています。

 →発心の道場(徳島県) →修行の道場(高知県) →菩提の道場(愛媛県) →涅槃の道場(香川県)
 →その他、旅の豆知識




 【1.発心の道場(徳島県)】
  前半の難所・12番焼山寺をはじめ、のっけから困らせてくれます。山間部は
 コンビニやお店が少ないので、平地にいるうちにしっかり補給しておきましょう。

 1番霊山寺→6番安楽寺
 県道沿いにお寺が並んでいて、霊場案内の看板も充実していて分かりやすい。
 看板に逆らわずに走れば、迷う心配はあまり無い。

 6番十楽寺→8番熊谷寺
 車遍路にとって、最初になるであろう田舎道への侵入。6番→7番は、特に道が
 細くて心細いので、看板を信頼したほうが良さげ。

 8番熊谷寺→9番法輪寺
 かなり迷いやすい道。特に県道139号線から先がわかりにくい!2002年現在、
 朽ち果てた鳥居を通過して田園を横切っていくのが近道。「最新へんろ地図」が
 あるなら、絶対頼ったほうがいい。他の車遍路さんも、迷っているみたいだ。

 9番法輪寺→10番切幡寺
 山門にたどり着くと、333段の階段が待っている。乗用車用の迂回路を使えば
 もう少し上まで移動できる。

 10番切幡寺→11番藤井寺
 県道12号線に出たら県道12号線→国道318号線を通って吉野川を渡った
 ほうが楽らしいが、県道237号線を走り続けると、景色がすごく田舎っぽくて
 いい(川島橋は、雨天はヤバそうですが)。

 11番藤井寺→12番焼山寺
 安全に行くなら、国道192号→県道20号経由。勇気があるなら、県道31号線
 で大幅ショートカット可能。ただし、県道31号線は、四国遍路屈指の難路。
 道中の中で一番怖い思いをしました。

 12番焼山寺→13番大日寺
 国道438号線→県道21号線が正解らしい。私達は間違えてしまいました。

 13番大日寺→15番国分寺
 14番への道はわかりにくく、駐車場もすごくわかりにくい。15番までの道も
 同様にわかりにくく、とても狭い。要「最新へんろ地図」。

 15番国分寺→17番井戸寺
 街中のお寺だけど、看板が充実しているのでさほど苦になりません。

 17番井戸寺→19番立江寺
 徳島市内を通って、渋滞に出くわしてしまいました。18番恩山寺までの道は、
 山道(県道203号線)経由のほうが時間的には得をするという話です。

 19番立江寺→21番太龍寺
 あまり太くない山道が続くが、交通量が少なく分岐も少ないので迷う余地は
 あまり無いかも。太龍寺ロープウェイは20分おきに運行してます。

 21番太龍寺→23番薬王寺
 22番平等寺付近が若干迷いやすいかもしれないので、地図必須。他は楽。

 23番薬王寺→24番最御崎寺
 太平洋に沿った道を長距離ドライブ。だんだん室戸岬が迫ってくる!
 とても気持ちいいです。スピード&追い越しにご注意を。





 【2.修行の道場(高知県)】
 室戸岬・足摺岬近辺は、とにかく長距離運転で疲労します。対照的に、
 南国市〜高知市〜土佐市は、街中を運転するので油断するとすぐ迷子に。

 24番最御崎寺→26番金剛頂寺
 基本的に海沿いの真っ直ぐな道を走るだけ。ただし、25番津照寺は街中で
 ややこしく、26番金剛頂寺は例によって山道が待っている。

 26番金剛頂寺→27番神峯寺
 27番神峯寺の山道への進入経路を誤ってひどい目に遭いました。恐ろしく
 細い道に迷い込みました。遍路看板で指し示された道も細くて怖いです。

 27番神峯寺→30番善楽寺
 「最新へんろ地図」があれば、目印が豊富なのでそれほど恐れる事は無い。
 とはいえ、道路を一本間違えると挽回の難しい場所が多く、Uターンを
 余儀なくされる可能性がある。ちなみに、私は「最新へんろ地図」を30番
 善楽寺で購入しました。霊山寺から買っておけば良かったと後悔。

 30番善楽寺→31竹林寺
 迷わず着いた。が、「最新へんろ地図第三版」の場合、一部の目印が地図と
 食い違っているような気がする。版が変われば修正されそう。

 31番竹林寺→32番禅師峰寺
 県道14号線から、浜辺の集落に入っていく道と、そこから先は「最新へんろ地図」
 大活躍。信じられないような小さな目印が役に立ってくれる。必須です!

 32番禅師峰寺→34番種間寺
 あまり太くない県道をひた走る道。遍路看板は、正直あまり充実していないが、
 道は単純で県道が目印になるので、地図があればそれほど怖くはない。

 34番種間寺→35番清滝寺
 35番清滝寺への山道は、標高こそ低いが道の細さと傾斜の厳しさは第一級。
 すれ違いの時は冷や汗ものです。高知県内で一番しんどい山道!

 35番清滝寺→36番青龍寺
 しんどい山道の後なので、気が抜けます。気をつけてください。

 36番青龍寺→38番金剛福寺
 地図上では海沿いの道なのに、山の中の国道をひた走る。
 土佐清水市に着いてからは、遠回りでも海岸沿い(県道27号線)を走った
 ほうが乗り物酔いになりにくいかも。遠距離でぐねぐねした山道が続くので、
 体力を消耗しがち。

 38番金剛福寺→40番観自在寺
 やはり海沿いなのに山道中心(39番までは海岸ルートもありますが)。
 とはいえ、大きな道路沿いなので、道の駅やコンビニがちらほら。ただし、
 特徴的な道路はあまりないので、「かったるく」感じられるかも‥‥。





 【3.菩提の道場(愛媛県)】
 前半と後半に長距離移動があるものの、全体としては市街地の沢山の
 お寺を巡拝する愛媛県。お寺の個性は豊かでも、道路が整備されていて
 比較的穏やかなドライブが続きます。

 40番観自在寺→41番龍光寺
 幹線を長距離移動。コンビニなどでは苦労しないが、宇和島市内渋滞
 しやすいそうです。早朝に移動すればガラガラです。

 41番龍光寺→43番明石寺
 峠道があったりしてしんどいとはいえ、今までの山道よりはずっとマシ。
 道路も比較的単純なので、迷子にもなりにくくて楽勝。

 43番明石寺→45番岩屋寺
 道順自体は非常に単純で幹線道路を移動するだけなので、普通の道路
 地図やるるぶだけで充分。とはいえ、あまりに普通のありふれた幹線を
 移動するだけなので、やや単調。とはいえ迷いにくいので安心。

 45番岩屋寺→46番浄瑠璃寺
 国道33号線の三坂峠を越えて、三坂トンネルを抜けて暫くすると、
 ものすごくわかりにくい目印とともに突如近道が分岐する(最新へんろ
 地図を持っている人はそちらも参照)。大幅にショートカット出来るものの、
 わかりにくく、すごく危ない思いをしました。
 無理なら諦めたほうがいいかもしれません。近道は要注意!

 46番浄瑠璃寺→49番浄土寺
 道なりに進んで看板に従っていれば49番の近くまではまず大丈夫。
 問題は、線路を渡って49番浄土寺に接近してから。ごちゃごちゃして
 いて、迷いやすいです。

 49番浄土寺→51番石手寺
 この区間の中では、50番繁多寺への出入りがごちゃごちゃしていて
 比較的厄介かも。

 51番石手寺→53番円明寺
 52番太山寺は、山門・仁王門を越えて、納経所のすぐ側まで乗用車で
 入れます。トイレつきの駐車場のさらに奥にも駐車場があるのです。

 53番円明寺→54番延命寺
 今回の旅ではここで分割してあるので、不明。国道196号線を長距離移動。

 54番延命寺→57番栄福寺
 看板や道標が充実しているので、迷うリスクは少ない。ただし、55番南光坊の
 周辺は今治市内なので結構車が混んでいて大変。

 57番栄福寺→58番仙遊寺
 田舎道のど真ん中なので滅茶苦茶心細い&わかりにくい。「最新へんろ地図」
 でも細かくは書いてないので、勘も必要。タオル工場を横切ればゴールは間近。
 とにかくタオル工場を通過出来ればひと安心!

 58番仙遊寺→59番国分寺→61番香園寺→64番前神寺
 「最新へんろ地図」を頼りに、殆ど迷わずに移動出来ました。59番国分寺から
 61番香園寺までは高速道路を使うことで大幅に時間を短縮可能。
 61番香園寺〜64番前神寺までは、国道沿いに看板を頼りに移動すればオーケー。
 進入路が異様に細い事があっても、看板にさえ逆らわなければ大丈夫です。

 64番前神寺→60番横峰寺
 通行料1800円かかるものの、これまでの山道を耐えてきた車遍路ならば
 対処出来る程度の山道です。ただし、悪天候や冬季に道路が閉鎖される事が
 あるそうなので、そこだけ要注意。

 60番横峰寺→65番三角寺
 ものすごく距離があるので、高速道路でショートカットが便利。
 小松IC→三島川之江ICがお薦め。

 65番三角寺→66番雲辺寺
 ここも高速道路が楽。三島川之江IC→大野原IC(高松自動車道)で、時間と
 体力を節約できます。お金はかかりますが。
 雲辺寺ロープウェイは、20分おきの発着です。





 【4.涅槃の道場(香川県)】
 いよいよ結願の香川県。今までの三県に比べると道路事情は良いような気が
 します。とはいえ、最後まで気を抜かずに安全運転を。

 66番雲辺寺→77番道隆寺
 お遍路看板が非常に充実しているため、「最新へんろ地図」と組み合わせて
 使用すれば殆ど迷わないだろう。非常に詳しく地図に書き込んであり、
 頼りになる。よしんば迷っても、比較的早期に対策をたてやすい。

 77番道隆寺→80番国分寺
 78番郷照寺と79番天皇寺の周辺は道路がごちゃごちゃした集落で分かり難い。
 とはいえ、今までのゴチャゴチャと比べてとりたてて厳しいというほどでもない。
 天皇寺の駐車場は、結局最後までわからずじまい。

 80番国分寺→82番根香寺
 看板が充実していて、道も単純なので迷いにくいほうだと思う。
 山道があるものの、今までの難路に比べればどうという事はない。

 82番根香寺→83番一宮寺
 今回の旅では間に宿泊しているので不明。「最新へんろ地図」を見る限り、
 比較的単純な行程のように見えますが。

 83番一宮寺→84番屋島寺
 高松市街の渋滞を避ける為にも、国道11号線から県道10号線に右折する
 ルートがお薦め。ただし、「コイン精米」が目印になるので、「最新へんろ地図」
 が迷わないために必須となります。

 84番屋島寺→87番長尾寺
 道路自体は比較的単純で、看板も充実。「最新へんろ地図」を併用している
 限り、まず迷う心配はないと思われる。

 87番長尾寺→88番大窪寺
 山道と言えば山道だが、道路は整備されており、しかも分岐が少なく
 分かりやすいから安心。ゴールはすぐそこなので、安全運転を!





 【5.そのほか、旅の豆知識】

 駐車料金や交通料金
 車遍路の場合、馬鹿にならないのがこの駐車料金と交通料金です。
 かなり多くのお寺(2〜3割ぐらい?)が駐車料金を取ります。取ると
 言っても、お金を入れる缶が置いてあるだけの無人の場所が多いですが、
 同行二人の手前、無視して通り過ぎるわけにもいきません。きっちり
 納めていくと、馬鹿にならない金額になります。百円玉をたくさん用意
 していきましょう。
 交通料金も、無視できません。1800円かかる60番横峰寺を筆頭に、
 屋島ドライブウエーなど、かなりお金を取られます。そうでなくても、
 高速道路を利用する方は多めに見積もっていくといいんではないでしょうか。


 道路上の遍路看板(お寺の方向を示した標識)について
 割と新しいつくりの大きな自動車用のやつは絶対信憑性あり。
 とんでもなく細い道に向かって矢印がついている事がしばしばで、思わず
 目を疑って無視したくなりますが、新しいつくりの遍路看板が間違っていた
 事は旅行中一度もありませんでした。見つけたら迷わず従いましょう。
 逆に、この看板に逆らって酷い目に遭った事が何度もあります。
 新しい遍路看板には絶対服従!ぐらいでいいんではないでしょうか。

 歩き遍路用の「へんろ道」標識も大体はあてになりますが、歩行者用の細い道に
 出てしまう事もあるらしく、車遍路は注意が必要との事です。


 給油に関して
 ガソリンスタンドの少ない長距離を走る区間(23番薬王寺→24最御崎寺など)や、
 すごい山道(12番焼山寺など)を走る区間が多いので、余裕をもって給油する
 事をお薦めします。愛媛県以降の霊場巡りではそんなに気にする必要もない
 かもしれませんが、徳島県内と高知県の田舎の地方では要注意です。


 コンビニやスーパーに関して
 コンビニが異様に少ない区間が多いです。二桁国道沿いなど、ある所には
 集中してあるくせに、無い所にはとことん無いです。スーパーに関しても
 同様で、田舎の(室戸/足摺近辺等)スーパーなどは、夜遅くまで営業して
 いるわけではありません。このエリアでは、夜間の食料調達は大変です。

 コンビニが極端に少ない区間(2002年〜2003年現在)としては、
 11番藤井寺→13番大日寺
 19番立江寺→22番平等寺
 23番薬王寺→27番神峯寺
 37番岩本寺→38番金剛福寺
 が挙げられます。
 やはり、徳島県の田舎地方と、高知県の東西端が特に少ないです。要注意!


 全部廻るのに必要な日程に関して
 今回、私達の旅は1→53を五泊六日で、54→88を二泊三日で廻りました。
 ちなみにローソクとお線香、納札と納経は全部のお寺でやりましたが、般若心経は
 読んでないお寺のほうが多いです。しかも、日程的にちょっと厳しい場所も
 ありました。このため、
 ・七泊〜八泊はキツキツ日程
 ・十泊ぐらいすれば、比較的ゆとりをもって参拝可能
 ・二週間ぐらい用意すれば、佐田岬や四万十川上流なんかに道草可能
 なんではないでしょうか?
 年齢や体力、予算、目的などを考慮しながら選択するといいかもしれません。





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