・時計やアクセサリーについて

 時計や指輪などのアクセサリについては、思春期の運用と壮年期以降の運用ではかなり様子が違う。ここでは、思春期における運用を中心に書く。
 
 初心者向けファッションガイドに書かれているように、アクセサリは後回しでも構わない。特に、「腕時計をする」という習俗が衰退し、スマートフォンや携帯電話で済ませがちになった2012年現在、腕時計に金銭を費やすメリットは、かなり低くなったといわざるを得ない。
 
・高価な時計のなかには、引き込まれるような魅力を秘めた品も多いが、その時計を購入するお金で様々な衣服にトライできる。二十万円でどれだけたくさんの衣服を揃えられるか考えてみて欲しい。高価な時計はおいそれとは購入出来ないので、どうしてもトライアンドエラーがきかず、一発勝負になってしまいがち。それぐらいなら、5万円以下の時計を限定的に使うか、いっそ所持しないで済ませてしまうのもアリ。職業上、どうしても腕時計を身につけなければならない等の理由が無いなら、中途半端な金額を時計につぎ込まず、その金を衣服にまわしてしまったほうが効率的
 
・ただし、時計に魅了されてしまった人や金銭に余力があるなら、とっておきの一品を買ってしまっても良いかもしれない。後述するように、年配世代やサービス業従事者のなかには、身につけている時計や靴をステータスの判断材料にする人が存在するので、そういう場面でのアドバンテージを獲得したい人は、必要時に身につけられるよう、準備しておく価値はある。

 ・なお、若い女性のなかにも、そういった高価な時計に魅了されるタイプがいないわけではないが、『ブランド物の時計を身につけている男性=狙い目の男性』的な発想の女性に好かれなければならない職業事情のある人を除いて、異性をアトラクトする一助として期待すべきではない。そんな女性に好かれても良いことはあまり無いので。


【懐中時計について】
 
・懐中時計を自分自身のライフスタイルや服飾と調和させつつ持ち歩くのは簡単ではない。なるほど、五十代のジェントルマンがスーツの懐から懐中時計をスッと取り出せば、さぞかし見栄えが良いだろう。しかし、身につけている人物の服装・ものごし・年齢といったものが合致しなければ、懐中時計はミスマッチなアンティークとして浮いてしまいかねない。悩ましい一品だと思う。
 
 この懐中時計の例に限らず、単品で非常に見栄えのするアクセサリは、自分自身のライフスタイルや服飾との調和を度外視しても、「自分自身の自信の無さ」をカバーするアイテムとして一定以上の効果を持っているので、そういう純-心理学的なエフェクトを期待して持ち歩くのも、まあそれはそれで悪く無いと思う。ただし、それがコミュニケーション上のメリットまでもたらしてくれるかどうかは、身につける人次第としか言いようが無い。
 
・懐中時計に限らず、自分自身の身の丈やを逸脱したアクセサリの身につけ方をすれば「背伸びしている人」と見做されやすいし、ライフスタイルや服飾との調和を無視した身につけ方をすれば「豚に真珠」と見做されやすい。
 

【そのほかのアクセサリについて】
 
・目立つベルトを目立たせるスタイルは、ファッションにある程度熟達している人ならともかく、ファッションを意識しはじめた人にはかなり難しいと思われる。黒や茶をベースとした、控えめ or プレーンなものからスタートしたほうが望ましい。
 
 なお、一応書いておくが、控えめ or プレーンだからといって、それが地味とは限らないし、お洒落でないとも限らない。これぞという一品がみつかった時には、少々値が張っても買ってみるのもいいかもしれない。ただし、この場合も飛び抜けて無理をする必要はない。余裕があって、気に入ったらということで。
 
 ・シルバーやネックレスの類は、若いうちにはよく映える。ただし、時計の場合と同様、自分自身のライフスタイルや服飾スタイルに合ったものを身につけることが必須条件。例えば図書館やラボで論文漁りをしているようなライフスタイルの大学生が、ヤンキーが身につけるようなアクセサリを身につけても、アクセサリだけが浮いてしまい、見る者に違和感を与えることになりかねない。もし、自分自身のライフスタイルや服飾スタイルについてイメージが湧かない場合は、シルバーやネックレスはいっそ諦めてしまうか、革製あたりの、自己主張が比較的穏やかな品を選んでおいたほうが無難と思われる。
 
 ちなみに、このウェブサイトを読むようなライフスタイルの人が、二十代後半以降にシルバーやゴールドを安易に身につけると、「いい歳してギャル男になりそこねた老け顔」みたいな結末になりかねない。そうしたアイテムの取り扱いに熟達し、加齢に合わせてアイテム選択をずらしていけるような人なら大丈夫かもしれないが、そこまでいける人というのは、既に相当な洒落者だろう。
 
 また、黒を基調とした服飾スタイルの場合などは、シルバーとの相性はとても良いように見える。しかし、この組み合わせは黒色の素材感やデザイン(しからずんば体のライン)が強烈に問われるうえ、シルバーのアイテム選びに失敗すると「出来損ないの中二病ナルシスト」としか言いようの無い、たいへん恐ろしい結末を迎えることになる。黒服+シルバーは、初心者向けのように見えて、たぶん上級者向けだと思う。あまり黒っぽくない服を選ぶか、シルバー以外の素材のアクセサリを合わせる辺りから慣らしていくなどしていったほうが無難と思われる。


【指輪について】
 
 ・男性未婚者がアクセサリとしての指輪を選ぶからには、それ相応のライフスタイルと経験蓄積が求められる筈で、初心者向きとはいえない。特に二十代後半ぐらいからファッションを見直すような人には。
 
 ただし、中学生〜大学生ぐらいのうちであれば、中二病的ファッションが許されるうちにアクセサリの習熟度を若いうちにあげておくという手もある。何が自分に似合い、何が似合わないのかを一番自由に模索できるのはそれぐらいの年齢なので、多少の無理をおしてでもトライしてみる価値はあるかもしれない。これぐらいの歳のうちは、価格にさほど無理の無いアクセサリでも似合いやすい、という特典もある。
 
 
【携帯ストラップなど】

 携帯電話やスマホにつけるストラップは、他人の目につきやすい。他方、携帯電話やスマホは「掌にプライベートがぎっしり詰まったアイテム」でもあるので、つい、自分自身の欲望の赴くままにストラップ選びをしたくなり、ここが盲点になることがある。特に、対外的に示しているライフスタイルと、スマホやPCの世界で構築しているプライベートとの乖離が著しいタイプの人は、携帯ストラップはあくまで“ソト”であって“ウチ”ではないことを意識してアイテム選びをする必要がある。
 
 
 まとめると、アクセサリは「自分自身のライフスタイルや服飾スタイルを誇張するためのアイテム」として運用したほうが無難で、逆に言うと、自分自身のライフスタイルや服飾スタイルへの理解が十分になってから、オズオズと模索しはじめても遅くは無いと思われる。ただし、中二病が許される年頃はこの限りではなく、低予算で許す範囲で試行錯誤があって大丈夫かもしれない。


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