・身だしなみや姿勢について


 身だしなみや姿勢は、それ単体で人間関係にプラスの効果を与えることは殆ど無い。しかし、度を超えてひどいものであれば、人間関係にマイナスを効果を与え続けることになる。初対面において、「見た目の善し悪し」が強いバイアス効果を生み出すだけでなく、初対面以降の人間関係でも微弱な悪影響を持続的に与え続ける

 また、身だしなみのなかでも、服装の清潔さ、歯磨きの習慣、脊椎の湾曲、猫背などのファクターは、長期的な健康状態や衛生状態に影響を与える。姿勢が悪すぎる人は若いうちから腰を痛めるリスクを負うし、あまりにも不衛生な服装は(水虫のような)余計な感染症リスクを招くかもしれない。これらは、十代〜二十代の頃には実質的な問題になることは少ないが、三十代から先はそうもいかず、一度健康を損ねてしまったら回復させるのは簡単ではない。
 
 このため、コミュニケーション上のディスアドバンテージを回避するうえでも、長期的な健康状態を維持するためにも、清潔な身だしなみや良い姿勢に対して若いうちから注意を払っておいたほうが、中〜長期的な適応にはプラスに働きやすい。
 
 それこそ、歯を磨かず、ひどい臭いを漂わせ、穴の空いた靴下を履いた猫背の人物は、コミュニケーション全般に大きなハンディを負うだろうし、歯槽膿漏や腰椎ヘルニアや皮膚感染症ができてしまえば生活の質自体が低下してしまうだろう。そういう事態を回避するためにも、ある程度若いうちから、身だしなみや姿勢を意識して整えておいたほうが望ましい。


【歯磨き・口臭について】

 ※以下のhow toは私個人が見聞きし、個人的に実行しているものが中心なので、より正確で詳しい情報が欲しい人は、それぞれの分野に専門家の人に聞いてみてください。それと、歯科領域/医療領域は日進月歩なところがあるので、明日には何もかも時代遅れになっているかもしれません。
 
 ・歯磨きは一日三回やる。昼の歯磨きがみっともないという人もいるかもしれないが、手短にやる分にはさほど昼休みのマイナスイメージにはならない(むしろ、きちんとしている、と評価してくれる人すらいる)。外出中で磨けない場合は、歯磨きガムなどを使っておくのもいいかもしれない。歯磨きは、虫歯予防や歯槽膿漏の予防だけではなく、口臭の減少が期待できる。口臭対策の一環として舌苔のコントロールまで意識するのもアリかもしれないが、不適切な舌苔コントロールは危険、といわれている。このあたりは歯科系のウェブサイトを調べてみて欲しい。それと、力を入れすぎて歯を磨くあまり、エナメル質を削りすぎたり、歯肉を痛めたりしないようにも注意。最終的には、歯科を受診すれば、適切な方法を教えてもらえる。
 
 ・口臭コントロールの観点からすれば、大事な会合や面接の前日や当日に、においの強い食物をたくさん食べるのは好ましくない。また、口臭は食べ物や歯磨きだけでなく、消化管潰瘍や便秘のような内臓の問題によって悪化することもある。家族や親しい人に「いつもと全然違う口臭」を指摘されるようになったら、そういった身体的な問題が隠れているかもしれないので、変だと思ったら診てもらったほうが良いかもしれない。 
 

【姿勢制御について】
 
 ・猫背やせむしといった、いわゆる“良くない姿勢”は、対人関係で悪印象を与えやすく、少なくとも、好感を醸し出すには向いていない。背筋が比較的まっすぐな、身体の重心が中心からブレの少ない姿勢が、“良い姿勢”と看做されている。…とか言いながら、今でも猫背な私自身の対策として一例を挙げると、
 
 1.顎を突き出し過ぎない(→顎を引き気味にすることで)。
 2.顎を意識するとおなかが出てしまいやすいので、腹を出しすぎない(→腹に少し力をいれ、引っ込めるぐらいの感じで)。
 3.腹を引っ込めると今度は尻が出っ張りやすいので注意。(→尻を引っ込める感じで)
 
 これら3つを同時に意識すると、私のような猫背タイプの人間でも、かなりマシになる。鏡をみながら微調整するのが望ましく、外出時、ショーウィンドーやエレベーターの鏡にうつった姿でときどきチェックするのも良い。こうしたチェックは、大事な面接や初対面の直前には、一定の即効性が期待できるかもしれない。意識しなくても姿勢を維持できるのがベストだが、せめて大事な場面でだけでも猫背を回避するよう意識するだけでも、ある程度は効果がある。
 
 なお、まっすぐな姿勢を常日頃から維持するには、腹筋や背筋がバランス良く発達していることが望ましい。体重を支える屋台骨はもちろん背骨だが、背筋や腹筋によって身体が支えられる部分も無視できないので、上の1.2.3.を維持する際も、実際には背筋や腹筋の力をそれなりに要する。このあたり、猫背の人が30分ほど姿勢を正してみればすぐに痛感出来し、また逆に、筋肉を鍛えると背筋を伸ばしやすくなるのも実感しやすい。
 
 このため、腹筋や背筋の発達を度外視して1.2.3.を実行するのはおそらく困難で、仮に出来たとしても、腰椎あたりに変な過重がかかってしまう可能性が高い。恒常的に姿勢をまっすぐにしたい人は、自分自身の腹筋や背筋と相談しながら推進したほうが良さげ。
 
 
【入浴について】
 
 ・入浴やシャワーは体臭を防ぐうえで重要な手段となる。特異な体質でない場合、毎日入っておいたほうが無難で、特に夏の期間に入浴やシャワーを怠ると、臭いがひどくなりがち。ヨーロッパのように、湿度が低く香水を強烈に匂わせても文句を言われない地域では、香水で誤魔化す手もあるが、高温多湿で強い香水が嫌われがちな日本では、香水でごまかす手法には限界がある。
 
 ・香水は補助的な、二番手三番手の手段。まず入浴などで清潔度を保ち、それでも腋臭などが気になる場合は、まず消臭・制汗スプレー系を検討するのが先。ファッション的なアクセントとして香水を用いる場合も、使い過ぎは要注意。コミュニケーション上の減点を避けるだけなら、香水よりも優先順位の高いことが他にある
 
 
【眉と鼻毛について】
 
 ・眉を切る/切らないについては、男女差・年齢差が著しく、なにより、流行や所属する文化圏による差異が大きい。このため、どこまで眉に手を入れるのか・どのように手を入れるのかは、周りの人次第の部分がかなり大きい。また、さほど決定的な分野ではないので、眉だけに神経を使いすぎるのは考え物ではある。
 
 ただし、表情をクッキリさせたいと思う人は、眉の要所要所だけでも手入れ可能にしておいたほうが便利かもしれない。眉の辺縁が不明瞭であるよりは、眉の辺縁がくっきりしていたほうが、ぼやけた表情になりにくい。眉弓に沿うかたちで、眉弓の下側だけを剃っておく程度でも、ちょっと印象が変わる。慣れないうちは、この「ちょっと」という感覚が大切で、大きな変化を期待して眉を切りすぎると、失敗して悶絶することになる。また、20代後半〜30代の男性が眉を細く切りすぎると変な顔になってしまいやすいので要注意。
 
 ・鼻毛に関しては、たまに鼻毛が顔をのぞかせるぐらいなら、コミュニケーションへの実害は案外低いような気がする。しかし、鼻毛を伸ばし放題・放置しっぱなしにするのはいただけない。個人的には、鼻毛カッターを使って偶に根こそぎ切るよりは、折に触れて鏡をみて、目立ちやすく切りやすいモノだけを切るほうがお勧め。鼻毛カッターは、相性や品質次第では鼻粘膜を損傷する危険があるため、注意を要する。かなり高価な鼻毛カッターを選ぶか、先の尖っていない鋏を使ってやったほうが安全と思われる。
 
 ・ちなみに、鼻毛はダストや病害物に対するフィルタとしての機能を果たしているため、ダストや病害物の多い環境にさらされている人にとって、健康上、必要な場合がある。このため、ダストや病害物を吸引しやすい職種の人は、鼻毛を切りすぎることにも注意が必要で、切りすぎるとくしゃみが止まらなくなったり、余計な病気にかかりやすくなるかもしれない。また、居住環境がダストや病害物だらけの場合は職業とは無関係にダメなので、まず部屋を掃除するなどの対策を講じたほうが効率的
 
 
【爪きりについて】
 
 ・不衛生を回避し審美性を維持するために、爪きりは定期的に行う。伸びた爪の間に黒っぽいゴミが溜まっている有様は、見苦しい印象を与えやすい。また、手洗いの習慣が身についてないと、握手の場面などでマイナス印象を他人に与える可能性がある。極端すぎる手洗いは手を傷めるが、衛生面に気を配るべき場面で手洗いを疎かにしていると、ドン引きされる可能性が発生する。例えば、トイレに行った後、手も洗わずにまな板に向かう料理人を発見した時、あなたはその料理人の手料理を気持ちよく食べられるだろうか?

 
【参考になりそうなリンク幾つか】

  →手洗いに関して:バイ菌とたたかうプロジェクト (株)ライオン
  →手洗いに関して:ビオレu あわあわ手洗い教室 (株)花王  
  →歯磨きに関して:オーラルケアシリーズ[歯の健康]All About←歯科医の先生が書いているようなので、多分、大丈夫、と思います。
 →身だしなみに関して:脱オタクファッションガイド
 →身だしなみに関して:「いちから始めるファッション入門マニュアル」改訂β版  
 →体臭に関してまとまっているサイト(美容形成外科監修傘下のサイトらしい)  

  ※適切な姿勢については、カイロプラクティック・整形外科領域がどうにもゴチャゴチャしていて、少なくともインターネットのレベルでは何が正しくて何が間違っているのかさっぱり分からないという印象を私は受けています。専門家を名乗っている人同士であっても、提言がかなり食い違っていることもあるような。このため、お勧めサイトを掲載するのは現在は見合わせています。



このエントリーをはてなブックマークに追加